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"雨のあの独特の匂いは、雲ではなくバクテリアから来るものらしい。 雨滴が地面を叩くことで、土中の微生物が作り出すゲオスミンという化学物質が放出される。この物質は「土の匂い」を持ち、時に食物の風味を損なう..."

雨のあの独特の匂いは、雲ではなくバクテリアから来るものらしい。

雨滴が地面を叩くことで、土中の微生物が作り出すゲオスミンという化学物質が放出される。この物質は「土の匂い」を持ち、時に食物の風味を損なうことがある。特に水やワイン、ビート、魚介類などで、この物質がこれらを泥臭い味にする。

[ヒトの鼻はゲオスミンに対して敏感であり、5ppt程度の濃度でもそのにおいを感じることができる。藍藻や放線菌、特にストレプトマイセス属などの微生物によって産生され、それらが死んだときに放出される。コイやナマズなど水底に住む淡水魚が持つ泥臭いにおいのもとでもある]

ノースウェスタン大学のJames Marshall氏とAlan Hochstetler氏は1968年、この強い匂いの物質を合成することに成功したが、彼らの合成したものには多くの不純物が混じっていた。2003年には、ブラウン大学のDavid Cane氏らが、ファルネシル二リン酸という割と一般的な化学物質からゲオスミンを作り出す遺伝子を、一部の微生物が持つことを発見した。

特に研究を促進させるような用途もない物質だけに、簡単に作れる方法が発見されるまで30年もの歳月がかかった。だがこの先、ゲオスミンが何に利用されるかは定かでない――土の香りのコロンの原料にでもなるのだろうか。[リンク先は冗談コロンの販売ページで、ほかに「うんちのコロン」「クレヨンのコロン」などが販売されている]



- 自然から学んだ、驚きの化学物質:画像ギャラリー | WIRED VISION (via burnworks, burnworks)

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